失敗実例に学ぶ、雨漏り業者の選び方

失敗実例に学ぶ、雨漏り業者の選び方

森建築板金工業では、これまでに数えきれないほどのお客様のお家を拝見してきました。
その中で、業者に頼んで雨漏り工事をしたにもかかわらず、結局雨漏りが直らない、というご相談も何軒かからいただいています。
工事をしたのに、なぜ雨漏りが直らなかったのか。
その原因は、正しく原因を特定できないままに、見当違いの施工をしてしまったことにあります。
今回は、その実例をご紹介し、正しい検査の方法と業者の選び方についてご紹介します。

工事をしたのに雨漏りが直らなかった実例

【事例1・W様の場合】 工事を2回もしたのに……

お客様の仮名をW様とします。
W様は大阪市内で飲食店を経営されていますが、自宅兼店舗の住宅に40年暮らされていました。
築40年ですから、建物自体にも少しガタがきている状態です。
そんなとき、訪問営業の業者のチラシが舞い込んできたそうです。それを見ると、良いことばかりが書いてあり、以前から雨漏りのことを気にしていたW様は、そのチラシを捨てられずにとっておいたとのこと。
そしてまた雨が続き、心配していた雨漏りが始まりました。
チラシのことを思い出したW様は業者に電話をして、修理の依頼をすることにしました。
業者はすぐにやってきて、工事着工へと話は進みました。足場まで組んでのかなりの大がかりな工事です
ところが、雨漏りは一向にやまなかったのです。
困ったW様は、業者に電話を入れました。
「雨漏りがちっとも止まらないんだけど……」
「そんなはずはありません」と業者は繰り返すばかり、まったくらちがあきません。
すぐに駆けつけてくれるわけでもなく、のらりくらりの対応を続けたあげく、ようやくやってきて、結局、2回目の工事をすることになりました。
しかし、それから4年ほどたったころ、同じ場所からまた雨漏りが始まったのです。
その会社は5年保証をつけていたそうですが、「もうあんな業者は信用できない」とW様は言います。

私たちは、ホームページで森板金工業のことを知り、ご相談くださったW様のお宅へ向かってみました。
これまでの経験を伺って、屋根に上がって現状の確認をした私たちは唖然としました。
W様のお宅の屋根は、とても変わったつくりになっていました。
しっかりと水を逃がして、絶対に建物の内部に入り込まないようにするために、本来なら瓦や鋼板で屋根を造るというのが常識なのですが、なんと、壁に使う材料で吹き付け塗装がしてあったのです。
「信じられない……!」
これでは防水の役目を果たしていません。雨漏りが止まらないのも当然です。
雨漏りの原因と考えられる箇所を、ひとつひとつ丁寧に点検していきます。
天井裏に入り、屋根に上って確かめ、小型のCCDカメラで撮影した映像で、W様にわかるように説明しました。
この結果、おそろしく杜撰なリフォーム工事が行われていたことがわかったのです。

第一に、雨をはじき返さなければならない屋根部分が、吹き付け塗装になっていました。
屋根材を取り換えるべきなのに、防水塗料を上塗りするだけで終わりにされていたのです。
また、瓦を止める漆喰が弱って剥げていたのを、前の業者はコーキング材で止めていました。これでは、外からの水は防げても、他の場所から入った水は、コーキング材が防げとなって、水が抜けるべき道が封鎖されている状態です。結局、これが悪循環を起こして、新たな雨漏りの原因となっていたのです。
こういったことが放置され、ひどくなってしまうと、屋根を支える野地板まで腐ってしまうこともあります。
雨の逃げ道をつくってやるのが、本来の屋根工事です。
ただ単に、ひたすら雨水をいれないことばかりに気をとられた工事をしてしまうと、水の逃げ道がなくなって、水が溜まってしまうのです。
実際、壁に穴をあけた途端、勢いよく泥水が噴き出してきました。

W様のお宅は、屋根を新たに被せることでことなきを得ました。
2度にわたるリフォーム業者に支払った費用は、まったくの無駄になってしまったことになります。
このように、正しくない処置をしたために事態が悪化してしまうケースは、決して少なくありません。

【事例2・T様の場合】 建ててくれた工務店にも直せなかった

次はT様の事例です。
このお客様は、家を建ててからまだ3年目でしたが、キッチンの窓のあたりから雨漏りが発生してきたそうです。
10年保証にも入っていたので、すぐに家を建ててもらった工務店に連絡しました。
すると、その工務店の現場監督がやってきて、現状を確認しました。
「たぶん昨日は風が強かったので、壁の下のほうから巻き込んで、雨が侵入したのでしょう。とりあえずコーキングだけ打っておきますから、様子を見てください」
T様は、言われるままに、しばらく様子をみることにしました。
しかし、雨漏りは止まりませんでした。
T様からのご相談を受けて、私たちが見てみた結果、この雨漏りの原因は、壁ではなく屋根にあることがわかりました。
これは明らかに施工の不手際によるものです。
しかも、根本的な工事をしなければ、2年や3年でまた雨漏りが再発してしまうおそれがあるという状態でした。

雨漏りの原因を特定する正しい手順

このように、きちんと雨漏りの原因を調査できずに、間違った施工をする業者があとを絶ちません。

雨漏りの調査には、様々な方法が用いられます。
目視、散水試験、赤外線利用、雨漏り探知機検査、発行材使用の検査といったものです。
調査方法が高度になれば、時間もかかりますし、特殊な器具を使用すると、費用も割高なものになってしまいます。
広告やチラシ、ホームページなどで「調査無料」「見積無料」などを謳っている雨漏り業者は、道具を使用しない「目視」の検査だけしか行わない場合がほとんどです。

私たちは、日ごろ、雨漏りの依頼があると、次のような手順で仕事を進めていきます。

目視で、5か所の可能性をピックアップする

調査はまず「目視」から入ります。
目視とは、雨水が漏れているところから、雨漏り箇所を推測して、屋根を見たり屋根裏を見たりしながら、今までの経験を生かして、原因と思われる個所を目で確認しながら検査することです。
目視による検査は、職人の勘と推理によるところが大きいものです。
言葉はよくありませんが、「見当検査」という言い方もあります。
あくまでも見当ですから、調査が不正確なのは否めません。
目視だけの調査をして、大体の原因を推理し、修理工事を実施しても、建物の劣化による雨漏りや、長い期間放置されたままの雨漏りなど、複数の原因の可能性があるようなケースには、とうてい対応することはできません。
どんなに経験を重ねたベテランの職人さんでも、目視だけで工事をしたら、雨漏りが再発する可能性は十分にあるのです。

お客様のお家の雨漏りは様々で、同じことはあり得ません。
屋根だけではなく、壁やベランダから雨漏りすることもあります。
私たちは、1か所の雨漏りに対して、考えられる可能性をすべてチェックしていきます。必要であれば、屋根裏にも入ります。
この時点で原因と思われる個所を、必ず4つ以上ピックアップします。最低でも5つくらいの可能性を想定できないようでは、プロとの職人とはとても言えないでしょう。

散水試験で原因を100%特定する

目視の調査が終わると、次は散水による雨漏り調査を行い、お客様にも確認していただきます。
お客様が上りにくい屋根に原因がある場合には、CCDカメラとテレビをつないで、電話でやりとりをしながら、リアルタイムで確認していただきます。
「水道水を使いすぎる」「雨漏りの箇所から内部を濡らしてしまう」「時間がかかりすぎる」。
そうした理由をつけて、散水試験を実施したがらない雨漏り業者もいますが、この試験を正確に行えば、ほぼ100%、原因を確定することができます。
たしかに水道代はかかってしまいますが、他の試験に比べて的確に原因を特定できるのですから、コストパフォーマンスに優れた検査だと思っています。

散水試験は、あくまでも正確に行うことが必要です。
初めは目視によって、原因と考えられる場所を最低5か所以上特定しておき、それが間違っていないかどうかを確認するために、散水試験を行います。
およそ10~20分を目安に、急所と思われるところにだけ散水し、順序を追って、原因と考えられる位置から、水上へと、原因を順番につぶしていきます。

原因の箇所の上から直接水をかけ、水がどのように流れていくのかを判断します。時間をかけ、徹底的に調査します。原因と思われる個所がはっきりしないのに。むやみやたらに水をかけても、たとえそれで水が出たとしても、正しい原因の特定にはつながりません。じっくりと時間をかけてひとつひとつ判断していきますので、2時間で終わる場合もあれば、丸1日かかってしまうようなこともあります。
時間はかかりますが、その分、しっかりとした正しい調査を行っています。

業者に散水試験をしてもらうときは、次のことを確認した上で実施してもらうといいでしょう。

  • 原因と思われる箇所はいくつあるか
  • 1か所につき、何分くらいの散水を行うか
  • どんな手順で試験を行うか

これらの検査が終了し、「雨漏り工事業者の選び方は、雨漏りの根本原因を95%特定できるかどうか>」でも書いたように、雨漏りの原因を95%確定できたところで、はじめて、工事の内容と適切な対策をお客様にご提案できるようになります。
それと同時に、こちらでわかる範囲の大体のお見積金額をお伝えします。
そして、社内に持ち帰って、それぞれの職人とチームを組んで工事に入るわけです。

検査と工事が別々だと、見当違いの工事になってしまうことも

悪徳リフォーム業者の中には、「このままでは家が腐る」などといって不安をあおり、なるべく大きな工事にもちこもうとする会社もあるようです。
通常の雨漏り修理の目安は、3万円、多くても30万円の範囲に収まると考えていただいていいでしょう。

雨漏り工事のクレームで一番多いのが、雨漏りの再発です。
せっかく工事をしてもらったのに、しばらくしたらまた雨漏りになった、というケースがあとを絶たないのです。
再発の原因の多くは、最初の検査で、原因を特定しないままに工事を進めたことにあります。せっかく工事をしいたのに、まったく見当違いの工事だったというケースが多いのです。
検査をする人と、実際に工事をする人が異なり、両者の間でしっかりした意思疎通ができていないということも多々あります。調査の内容が職人さんに正確に伝わっていなければ、見当違いの工事に終わってしまうのも無理はありませんよね。
そういうことを考えると、雨漏り工事で一番安心できるのは、自社で職人を抱えている会社です。

雨漏り工事をしたのに直らない理由のひとつに、原因特定した場所が1か所だけではなかった、というものがあります。
職人が実際に工事に入り、フタを開けてみて、「もしかしたら、ここも原因のひとつだったんじゃないか?」と気づくことがあります。
このとき、重要なのは、その工事をする職人です。
職人は自分の仕事に誇りをもって働いていますから、手抜き工事をするなど、自分の命を捨てるようなことは絶対にしません。
現場で一番多いミスは、意思の疎通に関することです。原因を特定できる診断士と、それをしっかり修理できる職人とのコミュニケーションが、きちんとできていれば問題はありません。そうでなければ、直るものも直りません。
自社職人なら、その場の状況に応じて、即座に判断を下して修理します。しかし、下請けの場合は、言われたことだけしかしない、あるいは、修理できないことも多いのです。
森板金工業では、板金職人はもちろん、瓦職人、防水職人など、それぞれ雨漏りに精通した職人を抱えています。どんなトラブルにもすぐに対応できる、最強のチームです。
社内のコミュニケーションにも力を入れており、素早い対応を何よりも大切に考えています。こういった連携プレイができるのは、自社で職人を抱えている会社の強みだと思っています。

まとめ ~雨漏り業者を正しく選ぶための3か条

頼んだ業者が雨漏り専門業者でなければ、雨漏りの正確な原因が特定されないまま、「とりあえずの工事」がされてしまうことがあります。
悪質な業者の場合、「安いだけの材料を使った手抜き工事」や、「コーキング頼りの施工」になることもあるのです。

とにかく、雨漏り工事で一番大切なことは、検査の時点で原因の95%が把握されているかどうかにかかっています。
もし、原因の特定に失敗していたら、雨漏りは再発します。そして、再工事のための余計な出費がかさんでしまうのです。
雨漏り工事はどこの業者に頼んでも同じ、ということはありません。
きちんと雨漏りを止めてもらうためにも、業者選びは間違えないでください。
そのためにも、業者をひとつに絞らずに、いろいろな情報を得るために時間をかけて決めることをお勧めします。
そして、どこが、なぜ雨漏りしているのか、その原因を徹底的に追及してくれる業者を選びましょう。

雨漏り業者を正しく選ぶための3か条

  1. 業者選びを焦らない
  2. 業者をひとつに絞らない
  3. 原因を徹底的に調べてもらう

この3点を、ぜひ頭に入れてください。
いい屋根補修業者に出会うための4つのポイント」という記事も書きましたので、ぜひ参考にしていただきたいです。

 

家を長持ちさせる!雨漏り・屋根修理のご相談は森建築板金工業まで
電話:0120-238-846

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