屋根の葺き替えリフォームのポイントは何でしょうか。
それは、素材です。
そして、「どれくらいで修理が必要?屋根の素材と耐用年数」という記事でもご紹介したように、お客様が、あと何年くらいその家にお住まいになるかによって、素材の選び方は変わってきます。
瓦は、1枚1枚の重なりから屋根を作り上げています。
そのため、瓦屋根には空気が自由に出入りでき、屋根裏にこもった熱気や湿気を追い出すことができます。
瓦は、自然換気の役割を果たして、屋根全体にこもる空気を循環させてくれるのです。
伝統的な日本家屋の瓦屋根の重厚な静けさ、そして美しさは、私たち日本人の心をやさしく和ませてくれます。
水はけの良い形状で、水切りが良い瓦には、音を吸収してくれるというメリットもあり、激しい雨が降っても、雨音を優しく受け止めてくれます。
また、瓦は、高温で焼きしめられるので、硬く、断熱性にも優れ、他の屋根材にくらべて雨の吸収率も低いことが特長です。
瓦にも、重量が重く、価格が高いというデメリットはありますが、最近では、洋風のお家にもよく合う陶器平板瓦などもよく使われています。
瓦屋根の場合、新築時から10年目で、瓦を押さえているしっくいが劣化してきます。
この時点で塗り直しをしておけば、あとの持ちが変わってきます。
また、瓦によっては、しっくいを使っていないものがあり、この場合は、外的損傷などがなければ大丈夫です。
20年目になると、そろそろ、瓦のずれが気になってきます。
気象状況や瓦の焼き加減によっては、ひび割れが起こってくる時期ですので、点検をしてみることをお勧めします。
特に、洋瓦は点検が必要でしょう。
25~30年目。
この頃になると、約50%の割合で、瓦本体が割れてきます。
屋根の下地まで腐らせてしまうおそれがありますので、この時期には必ず点検をしてください。
この時点までなら、まだ修理することが可能です。
30年以上になると、瓦の質によっては、瓦本体がスカスカになって、瓦自体が水を吸い込んでしまっていることがあります。この状態を専門用語で「スモリ」といいます。
専門の瓦職人に診断を依頼し、スモリの状態になってしまっていたら、一刻も早く健康な瓦に葺き替えることが重要です。
今までは、屋根材に用いられるカラーベストは、新築時から約8~10年で、塗装が劣化していました。
しかし、最近では、色あせなどの変化がほとんど見られず、メーカーで30年相当の耐久性実験をクリアするほど品質の高い製品が出回るようになりました。
ご自宅にカラーベストの品質について、住宅メーカーなどに確認しておかれるといいでしょう。
カラーベストが色あせてきてしまった場合は、塗装、または葺き替えという2つの対処法があります。
まず塗装ですが、この場合は、上塗りが終わった最終段階で、「縁切り」という作業が必要になります。
これは、塗装によって、カラーベストのつなぎ目に詰まった余分な塗料を取り除いていく作業です。
この作業を怠ってしまうと、雨漏りの大きな要因になりますので、絶対にしてもらってください。
(この工程を手抜きして仕上げる業者もいますので、注意して、確認してください)
一般の方は、葺き替えよりも塗装だけのほうが安上がりになるとお考えになると思います。
ところが、これは、一概には言えません。
たとえば、同じ条件の100平米の屋根でも、10年目に40~50万円かけて塗装を行い、30年目に80~100万円かけて葺き替えするのと、10年目で80~100万円かけて葺き替えし、その後約30年間メンテナンスフリーの場合では、トータルで40~50万円の差が出てきます。
10年目で塗装、30年目で葺き替えという対応よりは、10年目に思いきって葺き替え工事をしたほうが、結果的にかかる費用の額は少なくなるわけです。
将来的に住み替えを考えている方なら、時期にあわせて、より費用の少ない塗装がお勧めですが、今のお家にまだまだ30年以上は住む予定でしたら、葺き替え工事をしたほうが安上がりになります。
最近では、屋根材の種類がとても豊富になりました。
「セキスイかわらS」「同S II」は、ガルバリウム鋼板に天然石チップを吹き付けており、色あせの心配がなく、雨音も軽減。天然石の凹凸により、落雪を防止し、塩害にも強いため、日本全国で施工可能な屋根材であると言えます。重量も軽量で、しかもメンテ不要という優れものですが、そのぶん、価格も高めになります。
近年は、カラーベスト等に代わって、屋根材や外壁材として脚光を浴びているのが、「ガルバリウム鋼板」です。
ガルバリウムは、鉄にアルミ合金を混ぜて作った材料で、耐久性に優れています。
また、カラーバリエーションが豊富なので、デザイン性の高い外壁を作ることができるのが特長です。
ガルバリウム鋼板は瓦屋根にくらべて重量も軽いため、地震対策に適しているほか、最長で約30年間メンテナンスが不要です。
雨音は多少気になりますが、低コストでできるというのはうれしい利点ですね。
当社では、最低でも0.35ミリ以上のガルバリウムを使用しています。
ある一定基準の厚みのあるガルバリウムを使用しないと耐久性が劣ってしまいますので、ガルバリウムでの葺き替えを勧められたら、その業者がどのくらいの厚みのものを使っているかを確かめてみてください。
標準では0.35~0.4ミリを使い、谷部分などは0.4ミリ以上を使うことが定められています。
私たち森建築板金では、屋根の下葺き材の防水紙には、タイベックルーフライナー、もしくは遮熱ルーフエアテックスを標準仕様としています。
この防水紙には、水蒸気は全部抜けて水を漏らさないという優れた性質があり、結露や雨漏りに抜群の強さを発揮します。
一般的な下葺き材とくらべて、耐久性にも優れています。
タイベックルーフライナーや遮熱ルーフエアテックスを敷くことで、野地板(屋根下地)の腐敗や変形を防止できますので、上葺き材の寿命がきても、屋根下地までは被害が及ばず、次に工事する場合でも、屋根下地をそのまま使用することができます。
それによって、工事のコストも下がりますし、廃棄物を減らすことにもなるという省エネ素材でもあります。
遮熱ルーフエアテックスは、文字通り、放射熱を「遮熱エアテックス」のアルミ蒸着層が反射することで、断熱材が吸収する熱を大幅に軽減するため、室内への熱の侵入を相当量、減少させます。
森建築板金では、この2種類の防水紙を、施工のケースによって使い分けています。
サイディングは、近頃、セメント(窯業)系、セラミック系、金属系サイディングなどがあります。
色柄などのデザインが豊富ですし、比較的安価なので、多くの住宅の外壁として使用されています。
金属系サイディングは耐久性が高く、軽量ですから、リフォームにも向いています。
従来の製品は、数年ごとに塗装しなければなりませんでしたが、近頃では、耐久性や耐候性も高くなり、再塗装の間隔が以前にくらべて格段に長いものも出てきています。
森建築板金では、サイディングの張替えやモルタル壁の塗装の塗り直しなどの外壁リフォーム工事から、工場などに張る角波工事、木目調のプリント工事など、様々な外壁工事に対応しています。
結露が原因で腐食した箇所には、防腐剤を塗って、新しい柱で補強したり、新素材の特殊セラミックを使って、代替えの柱を作り、補強するなど、断熱や結露対策、補強をしっかり行ってから、サイディング張り工事を行います。
とくに仕上がりをきれいに見せるために、外壁の色との調和には、とても気をつかっています。
私たちエキスパートの責務とは、長年住み慣れたお客様のお家を、少しでも長く快適に過ごせる住空間に再生して、「家族を守る家」をつくりあげていくことだと思っています。
森建築板金工業では、お客様のお家の悩みをともに解決し、つねに信念と誠意をもって、本物のリフォームをお客様にご提供しています。